大規模修繕工事・参考情報「改修工事大手の合併」

代わりに、参考情報をお伝えします～♬

※記事はマンション管理新聞記事です。（マンション管理新聞は、マンション管理、修繕工事に関する専門新聞です。管理組合の皆さんには是非ご購読をお薦めします。ちなみに、当センターは同紙の紹介料などいただいておりません。）

「TOHOの全株式を取得」建装工業・7月1日付で合併

マンション改修工事大手の建装工業（本社東京）とTOHO（本社東京）は、7月1日付で経営統合すると発表しました。

これは、大規模修繕工事業界のビッグニュースです！！

今までも、いくつかの施工業者が吸収や合併をしたことはありますが、これほどの改修工事大手どおしの合併は初めてです！

●記事にもあるように、今後、大規模修繕工事の業界では、超高層マンションなどの特殊ノウハウの必要な工事の増加や、今までの工事内容に比べ、耐震化、省エネ化など多様かつ高度化が進みます。

●一方、人手不足や原材料価格の高騰の課題もあります。

これらに対し、如何に対応していくかが、「施工業者の今後の経営課題」です。

そんな中で、大規模修繕工事の施工業者は、生き残りをかけて、自社努力だけではなく、今回のような企業合併という手法も選択すると思われます。

管理組合の影響
マンション管理組合が、大規模修繕工事の発注をする施工業者が、今回のように合併した場合、管理組合にも影響はあります。

管理組合が、大規模修繕工事を発注した施工業者が、例えばTOHOのように吸収される立場の場合、「TOHO」という会社は、名前も中身も「建装工業」という会社になってしまいます。

倒産ではない
会社が吸収されるのは、倒産とは違います。

基本的には、TOHOの業務はそのまま建装工業の中に、言葉の通り吸収され存続※ することになります。

※吸収した側は、吸収された会社の不採算事業や部門の統廃合を行い、組織改正や配置替えなど、主体となって改変を行い、リストラや事業再編による最適化が行われるのが一般的です。リストラや事業再編は、様々なケースがありますので、個々によって違います。

今回の建装工業は、TOHOと同じく改修工事事業を行っていますので、TOHOの改修工事事業が即廃止されることはないと思いますが、今後どのようになっていくのか気になります。

管理組合は確認を
このように、会社自体がなくなったしまう倒産とは違い、建装工業の中で、当面はTOHOの改修工事事業を継続しながら再編が行われていくと思われます。（あくまでも私の想像です。）

しかし、TOHOは、建装工業に変わりますので、TOHOと工事請負契約を締結していた管理組合は、建装工業に対し、今後、この工事請負契約の内容に変更があるのかを確認しておきましょう。

一般的には、既に契約している工事請負契約の内容は吸収した会社が、引き継いで進めて行くものです。

細かいことでは、すでに着工している大規模修繕工事の現場はどうなるのか。

管理組合の窓口だったTOHOの営業担当者はどうなるのか、工事の現場担当者はどうなるのか、管理組合が進めていた大規模修繕工事に影響はあるのか。

アフターサービスや瑕疵保険のことも
工事完了後、数年間のTOHOが約束していた工事保証や、アフター点検なども、どうなるのか確認しましょう。

また、施工業者が工事後に倒産したり、瑕疵・不具合が発生した場合に、その補修費を補償するために、TOHOに加入してもらっていた「大規模修繕工事瑕疵保険」は有効なのか、なども確認することをお薦めします。

口約束は・・・
工事請負契約以外に、工事に関し、TOHOの担当者と管理組合で約束していた内容は、引き継がれるのでしょうか。これは難しいかもしれません。。。

などなど、聞きたいことは、しっかり建装工業に確認しておきましょう！