絶対必要!大規模修繕コンサルタントの選び方と役割

大規模修繕コンサルタントの選び方と役割
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大規模修繕工事コンサルタントの役割

マンションの大規模修繕工事の工事費は数千万円~数億円と大きな金額となります。そんな大規模修繕工事を管理組合だけで進めることは大きなリスクと負担を伴います。そこで、管理組合のサポート役として、大規模修繕工事コンサルタントは重要なパートナーと言えます。彼らの仕事は、建物の劣化診断から大規模修繕工事の計画、実行、工事監理、住民説明会など、すべてにおいてサポートしてくれます。

では、コンサルタントの役割を具体的に見てみましょう。まずマンションの劣化がどれくらい進んでいるのかを確認する劣化診断を行い、大規模修繕工事をどのように進めるのかアドバイスをしたり、劣化がひどくない場合は数年先まで先延ばしできると提案してくれることもあります。

このように大規模修繕工事コンサルタントによる劣化診断は重要なステップです。マンション全体を目視や打診調査によって、外壁、屋上、共用廊下・階段その他の状態をチェックします。劣化の程度や修繕の必要性を判断し、その結果を管理組合に報告します。

次のステップは大規模修繕工事計画の作成です。どの部分をどのように修繕するのかをまとめます。ここでも、今回の大規模修繕工事に含むもの、数年先に先延ばしするものなどに区分けを行います。このように、「大規模修繕工事ありき」で進めずに、マンションの劣化状況に応じた判断をするのが大規模修繕工事コンサルタントです。

また、工事の計画は2~3案程度作成し、それぞれの概算工事金額を出して、管理組合が比較検討する目安にしてもらいます。

劣化診断の結果や大規模修繕工事の計画案ができた段階で、管理組合は住民説明会を開催します。コンサルタントは工事の目的、工事内容、スケジュール、住民に協力してもらうことをわかりやすい資料を作成して説明をします。

大規模修繕工事の計画が決定したら、次のステップは施工業者の選定となります。コンサルタントは大規模修繕工事の計画に基づき、施工業者が見積もりを作成するための詳細条件を記載した見積要項書を管理組合と作成します。工事内容、スケジュールや施工業者の売上規模・創業年数・実績・資格者・加入すべき保険・保証等の入札条件を決めます。その上で、施工業者選定の入札参加者の公募(施工業者やコンサルタントの公募掲載ができる業界大手の新聞「建通新聞」https://www.kentsu.co.jp/)を実施して、広く複数の施工業者から見積もりを取り寄せ、施工業者の実績や信頼性も確認します。それらをまとめた資料を管理組合に説明し、管理組合が施工業者を選定しやすいようにサポートします。その後、施工業者決定となった場合には、コンサルタントは工事請負契約締結のサポートも行います。

いよいよ大規模修繕工事が始まったら、コンサルタントは施工業者の施工状況をチェックする工事監理業務を行います。工事が計画通りに進んでいるか、施工業者が適切な作業を行っているかをチェックします。適切でない場合は、指示・指導も行います。また、管理組合に対して工事の進捗状況を報告します。その他重要な業務として問題解決があります。工事中には予想外の問題が発生することもあります。コンサルタントはそういった問題を迅速に解決し、工事が滞りなく進むようにします。

工事が完了した後、コンサルタントは大規模修繕工事の結果を最終確認し、計画通りの仕上がりになっているかをチェックします。また、アフター点検時期の確認や、工事完了後の瑕疵・不具合の保証内容の確認を行い、管理組合に説明をします。

以上が大規模修繕コンサルタントの主な役割です。それぞれの業務は専門的な知識と経験を必要とします。だからこそ、管理組合は適切なパートナーとして有能なコンサルタントを選ぶことが大切です。

大規模修繕工事コンサルタントの選び方

では、どのようにしてコンサルタントを選べばよいのでしょうか。まず、大規模修繕工事コンサルタントとして活動する主体は様々あります。その中でも、以下の3つが代表的なものです。

管理会社:マンションの管理業務を行っている管理会社がコンサルタントとなるものです。この利点は、マンションの状態や問題点をよく知っている点です。また、管理組合や住民とのコミュニケーションがスムーズに行えることも期待できます。しかし、全ての管理会社が大規模修繕工事の専門的な経験や知識を持っているわけではないため、その点は注意が必要です。

一級建築士事務所(設計事務所):一級建築士事務所は、その資格と知見をもとに建物の劣化診断や、関係法令に準拠した大規模修繕工事の計画作成に長けています。また、工事監理や現場対応についても専門性が高く安心して依頼することができます。

独立したコンサルタント:専門知識と経験を活かして、大規模修繕工事の計画作成から工事の実施までを引き受け、必要に応じてアドバイスをします。ただし、独立したコンサルタントを選ぶ際には、その信頼性や実績を確認することが重要です。

ここで大切なことは、法的に大規模修繕工事コンサルタントの業務には、一級建築士等の資格は必須ではないということです。しかし、当センターでは、コンサルタントの資格保有は絶対に必要だと考えています。コンサルタントには中高層建築物の構造や建築、設備他の知識の全てを理解したうえで、どのような修繕、改修を行うかの適正な判断が求められるからです。

不適切コンサルタントを選ばないことが重要

次に管理組合が最も注意をしてほしいのが「不適切コンサルタントを選ばないこと」です。

国土交通省が平成30年5月11日に公表した「マンション大規模修繕工事に関する実態調査を初めて実施」(https://www.mlit.go.jp/common/001234289.pdf)では、コンサルタントが大規模修繕工事の施工業者の選定に際して、自社にバックマージンを支払う施工業者が工事受注できるように不適切な工作を行い、割高な工事費や、過剰な工事項目・仕様の設定等に基づく発注等を誘導するため、格安のコンサルタント料金で受託し、結果として、管理組合に経済的な損失を及ぼす事態などの記載があります。

国は、その対応策の一つとして、管理組合が大規模修繕工事の際に、コンサルタントや施工業者から提出される「見積内容」と「本調査結果」を比較して事前に検討をすることで、適正なコンサルタント委託や工事発注ができるように活用することを紹介しています。

主なポイントは次の内容になります。「工事内訳に過剰な工事項目・仕様の設定等がないか。」、「戸あたり、床面積あたりの工事金額が割高となっていないか。」、「設計コンサルタントの業務量(人・時間)が著しく低く抑えられていないか。」、特に業務量のウェートの多くを占める工事監理の業務量が低すぎないか。

「本調査結果」では、マンションの戸数規模別のデータも整理しています。管理組合は、自らと同規模のマンション群のデータと比較して、適正な工事発注やコンサルタント選定をすることが有効な作業となります。

また、大規模修繕工事に関する公的な相談窓口の活用等https://www.mlit.go.jp/common/001234290.pdfを活用することも紹介されています。

そのうえで、コンサルタントの選び方について説明します。

前記の「不適切コンサル」ではないことは当然として、コンサルタントに必要な条件は、次の内容となります。

  1. コンサルタント事務所の代表者及び今回の工事の担当者が一級建築士等の資格保有をしていること。
  2. 資格保有だけでなく、業務経験や実績、十分な知見があること。
  3. 業務内容ごとの各費用が適正であること。
  4. マンション管理の関係法令の知識があること。
  5. 管理組合や施工業者と良好なコミュニケーションがとれること。

まとめると、大規模修繕工事コンサルタントに必要な条件は、技術者として優れているだけでなく、工事の成功に必要な全ての要素を兼ね備えていることとなります。これらを十分に確認したうえで、自分たち管理組合の方針やニーズに最も合うコンサルタントを見つけましょう。

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