~マンションあんしんセンターの「透明な修繕支援」が全国的に反響を呼んでいます~
こんにちは。一般社団法人マンションあんしんセンターです。私たちは、マンションの管理組合が安全かつ納得して大規模修繕工事を実施できるよう、全国規模で透明性ある業者選定や、倒産リスクへの備え、談合防止などの支援活動を展開しています。
このたび、私たちの取り組みが2025年4月号の「マンション管理新聞」に掲載されました。この記事は、マンション管理を担う理事会や専門家の間で大きな注目を集め、業界内外から多くの反響をいただいております。施工業者が加入する「履行保証保険の普及活動」は、これまで曖昧だった大規模修繕工事の契約・保証のあり方を根本から見直すきっかけになるとして、読者の関心を集めています。
本記事では、その掲載内容をもとに、私たちマンションあんしんセンターの取り組みの核心を改めてご紹介しながら、なぜ今、透明性の高い業者選定と公正な保証制度が求められているのかを、より詳しくお伝えしていきます。
履行保証保険と設計監理方式による「安心の見える化」
マンションの大規模修繕工事は、12~15年に一度のペースで訪れる重要な機会であり、建物の寿命延伸と資産価値の維持に直結する重大プロジェクトです。その反面、一般の管理組合役員にとっては、非常に専門性の高い分野でもあります。施工技術や価格の妥当性、保証制度の仕組み、さらには業者の経営安定性まで、多岐にわたる要素を総合的に判断しなければならず、大きなプレッシャーを感じる方も少なくありません。
そこで私たちは、施工業者の選定において、「履行保証保険に加入可能な業者から選ぶ」方法をお薦めしています。履行保証保険とは、施工業者が工事の途中で倒産した場合でも、保険会社が工事再開や残工事にかかる費用や追加費用を保険金として一部カバーしてくれる制度であり、工事の完了を支援してくれるものです。これは、従来の完成保証人制度のように、同業者が保証人になる“なれ合い”の仕組みとは一線を画しており、信頼性と実効性の点で圧倒的に優れた制度です。
履行保証保険に加入するためには、施工業者が保険会社による厳格な経営審査や財務審査を通過している必要があり、そのハードルは高いものとなっています。2025年3月末時点では、この審査を通過した業者は全国で63社。この63社の中から管理組合にふさわしい複数社を選定し、相見積もりを取得するという「安心かつ競争原理を働かせた選定プロセス」をお薦めしております。
さらに、私たちが推奨しているのが「設計監理方式」です。これは、施工業者とは別の第三者である設計事務所が、設計と工事監理を担うことで、工事の品質と適正な進行を担保するものです。設計事務所は、管理組合側の立場に立って工事の進捗を監視し、見積書の精査から施工の監理、完成検査までを一貫して行います。これにより、施工業者との間に利害関係がない第三者の目が入るため、手抜きや不適切な仕様変更、過剰請求といったトラブルを未然に防ぐことが可能になります。
設計監理方式を採用すれば、建築の専門知識を持たない理事会の方々でも、安心してプロジェクトを進めることができる体制が整います。設計監理方式を導入した管理組合からは、「見えない部分までチェックしてもらえて安心だった」「設計事務所と履行保証保険の両方があることで、非常に心強かった」といった声が数多く寄せられています。
完成保証人制度の限界と談合を生まない仕組みづくり
私たちマンションあんしんセンターは、大規模修繕工事の“保証”のあり方そのものにも、根本的な疑問を抱いています。従来、多くの修繕工事では「完成保証人制度」が導入されてきました。これは、施工を請け負う業者が、同業者に保証人になってもらうことで、工事完成を担保するという仕組みです。しかし、この制度は一見合理的に見えるものの、実態としては深刻な課題を抱えています。
完成保証人制度の最大の問題点は、保証人が施工業者と同業の“仲間内”であるという点です。本来であれば、保証人には厳格な審査や保証能力の確認が必要ですが、実務上は形式的な書面のやり取りにとどまり、実効性に欠けるケースが多く見受けられました。さらに、施工業者同士が持ちつ持たれつの関係で互いに保証し合うことで、工事を“回し合う”ような構図が生まれやすくなり、これが談合や価格の不透明さにつながる温床となっていたのです。管理組合が高額な修繕費を支払っていても、その中身が適正かどうかを十分に検証できず、不利益を被ることも少なくありませんでした。
このような背景を踏まえ、私たちは完成保証人制度から脱却し、履行保証保険という公正で実効性のある制度を提案しています。履行保証保険は、保険会社という第三者が保証を行うため、利害関係がなく、保証能力も明確に裏付けられています。また、施工業者は保険に加入するために事前に経営審査を受けなければならず、その過程で経営の健全性がチェックされるため、信頼性の高い業者しか対象になりません。この点でも、完成保証人制度とはまったく異なる質の高い保証が提供されることになります。
さらに、履行保証保険を前提とした業者選定を行うことで、結果として「談合を防ぐ効果」も生まれます。同業者間で保証をしあう構図から離れることで、業者同士のなれ合いが解消され、価格や工事内容の提案において健全な競争が促進されるようになります。実際、当センターが支援した管理組合の多くでは、見積もりの段階から業者間での提案内容に差が出て、より高品質でコストパフォーマンスの高い選択が可能となりました。また、設計監理方式と組み合わせることで、相見積もりの評価も設計事務所が中立的に行うため、理事会の方々が過度なプレッシャーを感じることなく、公正な判断を下せる体制が整います。
履行保証保険の導入、設計監理方式の採用、そして完成保証人制度からの脱却。これらの取り組みは、いずれも「一つひとつの修繕工事を公正に、そして安全に完了させる」という私たちの理念に基づくものです。私たちは単なる業者紹介にとどまらず、管理組合にとって最も信頼できる選択ができるよう、制度とプロセスの両面からサポートを提供しています。

《出典》マンション管理新聞 http://www.mansionkanri-shimbun.co.jp/
まとめ
このたび『マンション管理新聞』に掲載されたことは、私たちマンションあんしんセンターの活動が全国的に認知され、共感を得るきっかけとなりました。しかし私たちは、記事に取り上げられることよりも、一つひとつの管理組合が安心して修繕工事を実施できる環境を整えることこそが、本当の目的であると考えています。
施工業者の選定に不安がある方、相見積もりをどう取るべきか迷っている方、履行保証保険についてもっと知りたい方、過去に工事でトラブルを経験された方。そうしたすべての理事会の皆さまに、ぜひ一度マンションあんしんセンターへご相談いただければと思います。
私たちは中立的な立場から、理事会が正しい判断を下すためのサポートを提供し、談合のない透明で安全な大規模修繕工事の実現を支援してまいります。マンション管理は住民全体の“共同責任”です。その責任を少しでも安心して果たせるように、今後も全力で取り組んでまいります。
