皆さま、こんにちは!事務所が渋谷にある、渋谷貴博です。
35年間マンション業界一筋、またプライベートでは、埼玉県さいたま市の総戸数800戸のマンションに住んで、修繕委員、副理事長、理事長経験があります。そんな私が管理組合役員の皆さまの役に立つ情報を発信します。
マンションにお住まいの方にとって、十数年おきに実施する大規模修繕工事は避けて通れないイベントです。特にペット(犬や猫)と一緒に暮らしている場合、工事期間中のペットのストレスやトラブルを最小限に抑えるための準備は欠かせません。本記事では、ペット可マンションの大規模修繕工事で注意する点や対策について詳しく解説していきます。
1. 工事スケジュールの確認と事前準備
大規模修繕工事は数ヶ月にわたることが一般的ですが、自身の住戸に近いベランダや共用廊下に影響がある工事は数週間から1カ月程度の期間となります。その期間は、騒音や振動、臭気が発生するため、住民だけでなくペットにとって大きなストレスとなります。そこでまずは、
- 工事のスケジュールを確認する
- マンション内の、どのエリアで、いつ作業が行われるのかを把握する
- 騒音や振動、臭気が特に激しい日を事前に管理組合や施工業者に確認する
といった情報収集が重要です。
また、ペットが普段過ごしている場所(部屋)が工事の影響を受けるかどうかも確認し、必要ならばペット用の避難スペースを確保してあげましょう。
2. 騒音や振動、臭気への対策
工事期間中は、ドリル音や鉄骨の打撃音など、大きな騒音や振動が発生します。また、外壁塗装に使う塗料の臭気も発生します。騒音や振動、臭気が大きなストレスになる可能性があります。
対策例:
- 遮音カーテンの設置: 窓を閉め、遮音カーテンを使用して外からの音を軽減する
- ペット用リラックスグッズの活用: フェロモンスプレーやアロマディフューザーを使って、ペットのストレスを和らげる
- 騒音や振動、臭気が大きくなる時間帯は別室に移動: 比較的影響が少ない部屋にペットを移動させる
- ペットが慣れている音を流す: クラシックや静かな音楽を流して、工事音をマスキングする
特に、長時間の工事が予想される日は、ペットをペットホテルや知人宅に一時的に預けるのも良い方法です。
3. ベランダや窓の管理
大規模修繕工事では、足場を組んで作業員がマンションの外壁を移動するため、普段は人が通らないベランダに作業員が立ち入ることがあります。そうすると、人間でも一定のストレスがかかりますが、ペットには大きなストレスとなり、興奮して部屋の中で暴れたり、吠えたり、窓やドアから逃げ出してしまう危険性もあります。
注意点:
- ペットが驚いて、窓や玄関ドアから飛び出さないように注意する
- 窓やベランダなど作業員が立ち入る場所の近くにペットがいる場合は、そこから離れた部屋にペットを移動させる
- ベランダにペット用のトイレやグッズを置いている場合は室内に移動する
窓の外の作業員が見えることで、ペットが興奮したり怖がったりすることがあるため、事前に窓は閉めて、ブラインドやカーテンで見えなくしたり聞こえなくしたりするなどの工夫が必要です。
4. 工事関係者とのコミュニケーション
ペット可マンションとはいえ、工事関係者の中には動物が苦手な人もいます。また、工事中にペットが外に飛び出したり、作業員に吠えたりするトラブルも考えられます。
具体的な対応策:
- 管理組合を通じて、工事業者にペットがいることを伝える
- 玄関ドアやベランダ側の窓ガラスに「ペットがいます」の掲示をする
- 作業時間帯は窓や玄関ドアの開閉に注意し、ペットの脱走を防ぐ
また、工事関係者がエレベーターを使用することがありますので、普段はペットを抱きかかえて乗っている人も、キャリーカーの中に乗せて移動するなど、トラブルが発生しないように注意しましょう。

5. ペットの健康管理とメンタルケア
工事期間中は、ペットが普段と違う環境に置かれるため、ストレスが原因で体調を崩すこともあります。
ペットの健康を守るために:
- 食欲や元気がない場合は早めに動物病院へ相談する
- 適度な運動でストレス発散をさせる
- 普段以上にスキンシップを増やし安心感を与える
特に猫は変化に敏感なため、工事の音や振動、臭気が少ないスペースを確保して、安心できる環境を用意してあげることが大切です。
6. 長期間の工事に備えた対策
大規模修繕工事は、自身の住戸のベランダや共用廊下に影響がある工事は数週間から1ヶ月が一般的ですが、工事全体では数カ月と長期間におよびます。その期間、ペットの心身の負担を軽減するためには飼い主の長期的な視点での対応が必要です。
- ベランダや共用廊下側以外でもペットに影響する作業が無いか定期的に確認する
- 工事の影響が大きい場合は、ペットと一緒に外出する時間を増やし、ストレスを分散する
- それでも難しい場合は、ペットシッターやペットホテルを検討する
また、マンション内のペットを飼育している住民同士で情報を共有し合うことで、新たな対策が見つかることもあります。
まとめ
ペット可マンションでの大規模修繕工事は、ペットと飼い主にとって大きな試練ですが、事前の準備や対策をしっかり行うことでストレスを軽減することが可能です。
- 工事スケジュールを事前に確認し、影響を把握する
- 騒音や振動、臭気対策を行い、ペットのストレスを最小限にする
- ベランダや窓の管理を徹底し、安全対策を強化する
- 工事関係者と適切にコミュニケーションを取り、トラブルを防ぐ
- ペットの健康を維持するためのケアを怠らない
こうした対策を講じることで、ペットと飼い主双方にとって、ストレスが少ない工事期間を過ごせるようになります。事前準備をしっかり行い、ペットの安全と快適さを守りましょう。
