12年周期にこだわらない大規模修繕:建物劣化に応じた計画の重要性

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管理会社のすすめに流されない!第三者の意見を活用した修繕計画の立て方

 

マンションの大規模修繕工事は、これまで通常12年ごとに行うものとされてきました。そのため、多くの管理組合が長期修繕計画の周期を12年に設定しています。しかし、令和3年、国土交通省はこの12年周期を見直し、特に外壁塗装工事に関しては、12年から15年へと延長する方針を示しました。この改訂は、令和3年9月28日付の「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン・コメント」および「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」に基づくものであり、修繕のタイミングを柔軟に見直すことが推奨されています。

実際、私たちのセンターで扱う修繕工事も、12年目ではなく、14年や15年目で実施するケースが増えています。12年目に建物の劣化調査を行っても、当初想定していたほど劣化が進んでいないことが多く、急いで工事を行う必要がないと判断される場合が多いためです。建物の状態によっては、12年周期にこだわらず、より長い間隔で工事を行う方が適切な場合もあります。

しかし、多くの管理組合の理事や修繕委員会のメンバーは、「長期修繕計画に12年目で工事が予定されているから、その通りに実施しないといけない」と焦ってしまうことがあります。確かに、長期修繕計画はマンションの維持管理にとって重要な指針ですが、あくまでも計画は目安です。建物の現状を正確に把握し、劣化が進んでいるタイミングで修繕を行うことが本来の目的です。計画や一般的な周期を厳守することよりも、実際の劣化状態に合わせて柔軟に対応する方が、マンション全体の維持管理にとっても合理的と言えます。

 

また、十分な劣化調査を行わないまま、早期の修繕工事を無理に勧める管理会社や設計会社、工事会社がある場合、その意図を慎重に見極めることが重要です。こうした企業が工事を急がせる背景には、利益を優先する意図が含まれている可能性もあります。したがって、信頼できる第三者による調査や意見を取り入れることが有益です。

具体的には、管理組合が自ら、業界を代表する修繕工事の設計事務所団体など、できれば3つ程度を相談候補として、簡易劣化調査を依頼することをおススメします。簡易劣化調査は、各団体から派遣された調査担当者(会員設計事務所の場合が多いです。)に現地で目視調査を約1~2時間程度お願いしましょう。

この際、調査を行う調査担当者(設計事務所等)はマンションと直接的な関係がなく、利害関係が発生しない第三者であることがポイントです。利害関係のない第三者からの意見は、公平かつ客観的な視点で建物の現状を把握する助けとなり、正確な判断が可能となります。また、その結果説明やアドバイスをもらうこともお勧めです。短時間の調査でも、外壁の塗装状態や構造部分の劣化進行度など、大まかな状況や劣化リスクを把握することができ、管理組合として現状の理解を深める良い機会になります。調査・アドバイス費用は無料とはせず、1団体へ1~3万円程度の費用を支払いましょう。

3社から調査結果の説明やアドバイスを受けることで、異なる視点や意見を比較することができます。たとえば、1社が「劣化は軽微」と判断しても、他の会社が修繕の必要性を示した場合、再検討や追加調査の判断材料となるでしょう。こうして多角的な意見を取り入れることで、自分たちのマンションの劣化状況をより深く理解でき、修繕計画を立てる上で役立ちます。

このように、複数の第三者からの意見やアドバイスを受けることで、修繕の必要性や時期、修繕内容について客観的かつ納得のいく判断が可能となります。こうしたプロセスを通じて、管理組合の理事や修繕委員会のメンバーは、感覚的な判断や不確実な情報による決定を避け、信頼できるデータや専門的な意見を基に合理的かつ効果的な修繕計画を立てられるようになります。修繕工事は、建物の長期的な価値や住民の安全、維持費に大きく影響するため、信頼できる情報源に基づいて慎重に進めることが不可欠です。

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