こんにちは!事務所が渋谷にある渋谷貴博です。
日経新聞記事に、大手銀行、コロナ禍で最高益へ!とありました。
コロナによる企業倒産が歴史的な低水準だったため、損失計上を回避することができたことが大きな要因です。
企業に貸している融資の焦げ付きを想定して、あらかじめ費用として積み増ししていた貸倒引当金を、倒産が低水準だったことにより使わずに済んだよう。
東京商工リサーチによると、4~9月の倒産件数は、57年ぶりの少なさ。歴史的な低水準が銀行業績を押し上げたことになります。
その他、銀行が成長を見込んでいる事業の回復の影響も大きいとのこと。
しかし銀行は、このまま景気が回復するかについては、半信半疑で見ており、コロナ禍で支援した企業が再生できるか見極めるには時間がかかるとのこと。
倒産が歴史的低水準で推移しているのは、銀行がコロナ禍に倒産対策として企業に資金援助をした成果だが、企業はリスクが無くなったわけではなく、「これから本来業績まで回復させられるのか」がカギを握っているわけです。
当面、企業の業績回復が実緑値として確認できるまでは、安心できないようです。
大規模修繕工事
一方で、修繕業界を見てみると、中小の施工業者は、利益ギリギリか赤字ではないかという低い工事金額で、工事受注を続けているとの業界関係者の話し。
背景には、管理組合が施工業者を選定する入札で、各社の決算書や経営状況よりも、工事金額の安さを最優先している状況があります。
「工事の品質」がどの施工業者も同一であれば、管理組合が工事金額の安さを最優先することは正しい選択です。しかし、大規模修繕工事は、「工事の品質」が施工業者ごとに大きく異なります。
工事金額の安さを最優先してしまうと、「工事の品質」は金額に相応のものとなります。なぜか?赤字で工事を受注する施工業者はいません。管理組合にはわからないように施工業者は利益を出すようにするのです。
・塗料を薄めて少ない量ですむようにする
・指定より安い塗料を使用する
・安い下請業者を使う
・技量が低く経験の浅い職人を使い人件費をうかす
・塗装する面積を少なくごまかす
・複数回の塗装が必要なのに、回数を減らす
etc・・・
いわゆる手抜き工事につながっていくのです。
せっかくの設計監理方式も・・・
その対策のために、管理組合が設計監理方式を採用し、設計事務所に厳しくチェックしてもらうはずなのに、施工業者が安い工事金額を提示すると管理組合は誘惑に負けてしまい、設計事務所のアドバイスを聞かずに工事の発注をしてしまうそうです。
また、こういった工事費の安さをアピールする施工業者は、企業体質が全般的に良くないため、倒産リスクが常に高いと言えます。
その多くは自転車操業で回している会社が多いです。コロナ禍でもなんとか工事受注数を確保するために、赤字ぎりぎりの工事金額で工事受注を続けています。歯車が一つでも狂うと破綻しかねない状況なのです。
さらに、高い人件費・人出不足、材料費に影響する石油の高騰なども、施工業者の利益圧縮の悪影響となり厳しい状況が続いています。
工事品質へのこだわり
管理組合の皆さんは、「大規模修繕工事の工事品質は施工業者ごとに異なる」ということをご理解いただき、だからこそ工事金額優先ではなく、いかに高い工事品質とするか、こだわっていただきたいと思います。
・工事金額が安いことを施工業者のホームページやプレゼンでアピールしている施工業者は落とす
・施工業者選定の入札条件に工事仕様、施工概要、使用材料など明確かつ詳細に記載する
・施工業者が提出する工事見積書に前項工事内容が記載されているか確認する
・指定材料を使っているか現場確認を定期的に実施する(設計事務所と)
・適正な施工内容か定期的に現場確認を行う(設計事務所と)
その他にも、管理組合は最後まで準備と確認を適宜実施することをお薦めいたします。
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渋谷貴博(しぶや たかひろ)
MAC:マンションあんしんセンター
https://mass.liblo.jp/
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