管理組合側に寄り添って修繕工事を進めてくれる設計事務所は、とても重要な仕事です。
・建物の劣化診断
・修繕工事の計画
・工事会社選定のサポート
・工事中の現場検査等
・工事完了時の確認とアフターフォロー
・その他、長期修繕計画の修正
これらは、修繕工事を知り尽くした設計士でないとできない仕事です。
(ただし、法的には、一級建築士資格の有無は問いません。渋谷としては、一級建築士資格を有する設計士にサポートしてもらうのが良いと思います。)
●管理組合が、管理会社に修繕工事を発注するケースの考察
管理業務委託をして、常日頃から身近にいてマンションのことを一番理解しているのが管理会社です。
その管理会社に修繕工事のサポートをしてもらう、または工事も発注する。というケースは非常に多いです。
渋谷の思い:
ひと昔であれば、管理会社は管理組合と長く付き合う関係なので、管理組合としては、「工事費は高くなるけど、管理会社に工事を発注すれば、工事後に瑕疵や不具合が発生しても、下請け工事会社に指示して、適切に対応してくれるのではないか。」という考えがありました。
しかし昨今は、管理会社から管理業務委託契約の更新拒絶をするケースが増加しています。
そうなると、長いお付き合いになるのかは、不確かなこととなります。
場合によっては、今まで友好関係があった管理会社が、明日は他人となってしまうかもしれません。工事後の瑕疵や不具合の対応も、今までのようには対応してくれない可能性もあります。
渋谷の提案:
そんな現状から将来を鑑みると、「修繕工事のカタチを変えてみること」も必要かもしれません。
それとは別に外部の設計士を入札で選定しましょう。(不適切コンサル対策は十分に行ってくださいね)
工事会社の選定は、管理組合が主導で行いましょう。(不適切コンサルや管理会社などにバックマージンがいかないように、選定の権限は、設計士や管理会社にはさせず、管理組合にすること)
修繕に関することは設計士、管理に関することはマンション管理士。そんな、管理組合に寄り添ってくれるプロにサポートしてもらいながら管理運営することが、望ましい姿ではないかと思います。
●管理については、マンション管理士のアドバイスを受けながら、管理会社とやりとりをする。
●修繕工事については、設計士のアドバイスを受けながら、工事会社とやりとりをする。
だから、有能な設計士を増やさなくてはいけません。有能なマンション管理士を増やさなくてはいけません。
一方で、マンション管理業界の、高齢化、若年層の流入不足、世代交代は、とても大きな問題です。
働き手がやりがいを持つ業界にしなければ、
どんどん管理組合のサポート役がいなくなって、
業界全体が機能不全に落ちってしまいます。
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渋谷貴博(しぶや たかひろ)
(一社)マンションあんしんセンター
https://mass.liblo.jp/
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