こんにちは!事務所が渋谷の渋谷貴博です。
通常、マンションの大規模修繕工事を行う場合、工事の発注者である管理組合は、請負者である施工業者と工事請負契約を締結します。その際に使用される契約書は、どういうものが使用されるか知っていますか?
今回、当センターがご紹介するのは、民間(七会)連合協定工事請負契約約款委員会が作成した、大規模修繕工事用の工事請負契約書と約款です。
「民間(七会)連合協定 マンション修繕工事請負契約約款契約書関係書式」2020年4月改定版です。
http://www.gcccc.jp/contract/mansion.html
(同委員会コメント)
マンション修繕工事は、発注図書の内容や、監理の方法、完成部分の受け入れ方法等、一般的な新築工事と異なる部分があります。これらの実態を反映し、マンション修繕工事の請負契約を締結するに際し、使い勝手の良い、工事請負契約約款を発行いたしました。以上 ~以降省略~
それまで、マンション修繕業界では、マンション修繕工事に関する標準的な工事請負契約書はありませんでした。
どうしていたかというと、「新築工事に関する工事請負契約書(民間七会連合協定 工事請負契約約款 契約関係書式)」をベースにして、マンション修繕工事の契約内容に合わせるために、加筆修正などしながら、工事請負契約書を作成して、管理組合と施工業者が契約締結をしていました。
中には、オリジナルの工事請負契約書を作成して、使っていた(今も使っている!?)業界関係者もいます。
業界標準的な契約書
民間(七会)連合協定工事請負契約約款委員会は、数年前、マンション修繕工事の実態を反映した、使い勝手の良い、工事請負契約約款を業界で初めて発行しました。※同委員会は2020年4月にさらに内容を改定しました。
これにより、管理組合及び施工業者は、業界の標準的な工事請負契約約款の内容で、契約締結をすることができるようになりました!
工事完成保証、大規模修繕工事瑕疵保険の利用促進も
さらに、この工事請負契約書には、工事中に施工業者が倒産した場合のリスク対策として、その工事完成保証制度の利用有無の表示や、工事完了後に施工が原因で瑕疵や欠陥が発生した場合に、補修費用等が保険金で支払われる大規模修繕工事瑕疵保険への加入有無の表示などがありあす。
これは、発注者である管理組合を守るセーフティーネットを積極的に施工業者に利用することを促し、万全の工事となるよう作成されてる素晴らしい内容となっています。
同契約書の利用をおススメします!
実は、工事請負契約書は、これを利用しなければならないというルールはありません。
つまり、管理組合が工事請負契約書の作成を、施工業者などに任せておくと、施工業者に有利な工事請負契約書が使われたり、英訳内容になったりして、管理組合が契約締結後に不利益を被る可能性があります。要注意!!
その対策として、同契約書を工事請負契約書として利用することで、両社に公平な内容となり、それが万全な工事につながるものと思われます。
内容編集の注意!
しかし、同契約書を利用していても、契約書の内容が、施工業者に有利な内容に、上手に編集されていケースも散見されます。
管理組合の皆さんは、自ら、民間(七会)連合協定工事請負契約約款委員会から同契約書一式を入手して、同契約書と施工業者などが提出してきた契約書の内容を比較して、編集がされていないかのチェックをしてください。
管理組合の大切な修繕積立金を使って、数千万円~数億円の高額な工事金額に関する契約書です。
管理組合にとって、不利益な内容とならないように、また、セーフティーネットの利用もしっかりさせながら、万全の工事を推進してください。
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渋谷貴博(しぶや たかひろ)
MAC:マンションあんしんセンター
https://mass.liblo.jp/
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