こんにちは!事務所が渋谷の渋谷貴博です。
今日は事務所ではなく、外出業務です。
簡易劣化検査
当センターへご相談をいただいた、多摩センターのマンション管理組合に伺います。
築24年をむかえ、そろそろ2回目の大規模修繕工事を検討しているとのこと。
そこで、当初は管理組合の理事たちだけで建物の劣化状況を目視確認しよう、という話になったが、高齢化しており危険だし、有料で検査を依頼するのはお金が足りないということで、たまたまインターネットで検索した当センターに簡易劣化検査の相談をされた。ということのようでした。
ところで、当センターでは、まだ業務メニューが決まっておらず、管理組合の皆様にどんな業務提供ができるか無料なのか有料で費用はいくらだとか規定が決まっていません。
今回は、たまたまお受けするというものです。(同様のご依頼は次からはお受けできないと思います。)
私ともう一人の技術者が現地へ伺い、約2時間程度、屋上や外壁、廊下・階段など、目視可能な部分の劣化状況を確認します。
そうして、管理組合の方に対し、劣化についての感想や今後の進め方のアドバイスや一般的な大規模修繕工事の進め方についてのお話しを1時間程度行います。
簡易劣化検査がなんで必要?
「長期修繕計画の中に、2回目の大規模修繕工事の計画があるわけだし、前回の工事実施部分やその後に管理会社が行った定期点検結果があるのだから、そのまま大規模修繕工事に進めばいいんじゃないか?」と考える方が多いと思います。
しかし、管理組合理事会は輪番制で直近のことしか把握していません。過去の大規模修繕工事や定期点検その他建物の補修履歴の詳細内容など。そして、現在の建物の劣化状況をきちんと確認している人は皆無でしょう。
長期修繕計画はあくまでも「計画」です。本当に工事を実施するのかは、現在の建物の劣化状況によって、実施の可否は変わってきます。それをしないで計画ありきで工事をしていたら、当然修繕積立金は不足してしまいます。
劣化検査の結果、屋上防水や共用廊下の塩ビシートはまだ劣化が進んでいないから、あと5年先に先延ばしして、その他外壁面は、タイル補修や塗装を実施する。など
重要なのは、管理組合内で、はじめにだいたいでもいいですから、自分のマンションの劣化状況を把握しておくことです。
そうすると、その後に専門家と進めて行く場合にも、全部お任せ状態にならず、ある程度主体的に進めることができます。
これ以外に、専門家による建物診断調査を実施することで、もっと細部にわたり今回の工事にするのか、先延ばしするのかが明確になります。
場合によっては、今回の工事自体も長期修繕計画どおりすぐに実施するのではなく、あと2~3年程度はずらせる可能性があるかもしれません!!
人間のカラダのように、最初から手術ありきではなく、精密検査を行ってから、どのように治療するのかを考える。マンションもそういった慎重さが必要ではないでしょうか。
そうして、大手術ではなく、簡易治療や1年後再検査で済む場合もあるかも。結果、単年度に大きい金額の負担を避けられ、数年間に補修金額を分散させることができて、一時的な修繕積立金不足を解消することができるのかもしれません。
管理組合の大切な修繕積立金を使うのですから、「今、管理組合の修繕積立金不足が深刻な問題!」など、TV、新聞、業界の情報に一喜一憂するのではなく、自分のマンションの劣化状況を正確に把握することが大切ですね!
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渋谷貴博(しぶや たかひろ)
マンションあんしんセンター(MAC)
https://mass.liblo.jp/
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